2019年11月24日

ヌフの夢

昨日は一日シトシト降り続ける残念な雨模様でしたが、わたしたちのラストランには逆に良かったのかな、なんて思えるお天気でした。
開店前の仕込みの真っ最中にお電話が。ご予約のお電話でしたが涙を飲んで丁重にお断り。
この日はお店においでいただいたお客様を優先したいと思い、失礼な対応になったかもしれません。お許しください。

しかし、この雨。うわっ!こりゃ難しい営業だね。なんてシェフと話しながら、せっせとパン作りは続きます。

DSCN8129.jpeg

分割したパン・ド・ミとクララの豆パンを丸めるシェフ。
雨はしとしと降りつづけるのですがなんだか明るい気持ちでパン作りは進みます。
10時前に外にノボリをあげ、パンを並べ、この日のパンは、パン・ド・ミ、バゲット、クララの豆パン、ハイジの白パン、田舎風のリュスティック、薔薇の名前、イモ・デ・ゴワス、ミニヨンリモン、パン・ペイザン、ドゥ・フロマージュ、の、おやっ?10種類。笑
それも有りさ!

今日のこの雨では苦戦は免れません。ママよっ、と覚悟を決めて、ところがどっこい、開店と同時にこれまでヌフのパンを愛してくださった皆様がお越しくださって、最初に一番乗り?の K 様はさりげなく温かく、食パン、二斤でもいいですか?申し訳ありません、今日は、、、?そこでシェフがすかさず、どうぞどうぞと勧めてくださって、そこからはもう制限はなし。(笑)それはそうですよね。
海さんはにっこりと素敵な笑顔でご来店。O 様は「雨の日はやらないって言ってたのに、雨で最後になりましたね」とユーモラスにお声をかけてくださいました。毎週毎週バゲットを買ってくださいましてありがとうございました。この日は素敵な花束まで。感謝の言葉もお伝えできず、あとは怒涛の勢いで。
初めておいでくださったときは坊やがまだヨチヨチ歩きの I 様ご家族。おひさしぶりにお会いした僕は来年小学生だそうです。
店内の模様変えを目ざとく見つけて、「あれ、雰囲気が変わったね」うわあ、そうだね。雰囲気だね。大笑

本当にお一人おひとりをご紹介しなければ申し訳ないのですが、パンは11時前には完売してもうお売りするパンがありません。

さて、ヌフのモットーである「本当においしいパンを皆さまの食卓にお届けしたい」。パンは届いたのでしょうか?
「ほんとうにおいしいパン」と大上段に振りかぶったのは、本当に美味しいパンを作れるようになってそれをこそ皆様にお届けしたいという私たちの願望でした。
ヌフを始める時からそのような大それた計画があったわけではなく、お店を作りながら一年かけてシェフが厨房で実験を繰り返しながら、「ほんとうに美味しいパン」はまず酵母だ、水だ、塩だ、発酵バターだと一つ一つ確認して、私たちが良くないと思うものを排除して、そうしてたどり着いたパン作りでした。一年間のお店作りの過程がシェフをたくましく鍛え上げたのでしょう。
そして最後に清潔であること。
「ほんとうにおいしいパンは皆様に届いたのでしょうか?」

厨房で朝早くから生地を仕込み、四季の気温の変化を感じながら、「ついでに朝一番に啼く鳥の声」に季節の移ろいを感じながら、私たちは私たちのパンを焼き続けてきました。真似事ではなく、私たちだけのパン作り。

わたしたちのパンは王子様に届いたでしょうか?ほんとうのことはね、目に見えないんだよ。
王子様は、ヌフにいらっしゃってくださるお客様であることに昨日ようやく気がついた私たち。
(もしかすると、お店の外にはジャン・バルジャンも立ち止まって覗いていてくれたかも知れない。)

お店の片付けを始めた午後、お店の裏でモップを洗っていたらシェフが慌てた声で、
「ツナの助さんが来た!」
「えっ?」
ちょっとご説明が必要です。
七年前、ヌフの開店の前日でした。お店の準備に大忙しだったとき、突然ドアを開けて、「あのう〜」と、一人の青年が扉をあけて覗き込み、「こちらはパン屋さんですか?」
と、優しい声で尋ねてきます。明日開店なんです。とっても興味深げに覗いていって、横須賀から来られたこと、時々三崎に来るらしく、聞けば三崎のキャラクターで「ツナの助」が可愛くて遊びにくるんですと。
それから開店以来こちらに来るたびにお寄りいただいてご夫婦でパンを買っていってくださいました。
シェフと私の間では「ツナの助」さんとお呼びしていたのですが、最後の営業の前日にも、仕込みをしながら、ツナの助さんはくるかなあ?なんて冗談で言っていたのですが、うわあ、ほんとうに。しかも最後のお客様だなんて。

ほんとうに有難うございました。
シェフがカードにしたためた「わがままなパン屋を応援してくださって 誠にありがとうございました」
この言葉に尽きる最後の営業でした。

心を込めて。

DSCN8139.jpeg

DSCN8138.jpeg





ようこそパン・オ・ヌフの世界へ






posted by dady at 12:28| 神奈川 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年11月22日

雨が空からふれば

 思い出は 地面にしみこむ

今日はそぼ降る雨のなか、明日の仕込みとお店の準備と、リハーサルはできないけれどシェフと二人で頭の中で段取りの確認。
これがなかなか厄介で、毎日作っていないとちょっとした塩梅でオタオタするんじゃないかとヒヤヒヤです。

お店の内も包装紙はあるか、パン・ド・ミの一斤用のポリ袋は?バゲット袋は?お店の中もレイアウトを少し変えたのでなんだか勝手が違います。
しかし、そうこうするなかも外は無情の雨がシトシトと。

 雨が空からふれば 思い出は 地面にしみこむ

お店のなかで照明をつけて掃除をしていると営業しているのかと思われたお客様が何人か。いつもご贔屓に願っているO様やK様からお電話をいただいて、ありがたいことだと感謝感謝。
明日は降ってもやります。
しかし、お店の中で休憩しながらコーヒーを飲んでいると、いやあ、この空間は癒されます。

DSCN8107.jpg

シェフはすでに心ここに在らず。
とかなんとか言いながら、雨はしとしと、思い出もシトシト。この歌はもう随分前にこのブログでもご紹介しましたが、ほんとうに癒されます。

DSCN8111.jpg


ここのお店を作ったのはもう7年前。明日のお天気は期待できませんが、明日のパン作りは乞うご期待!

 しょうがない 雨の日はしょうがない



しかし、雨もまた、所変われば品変わる。

 しょうがない。




ようこそパン・オ・ヌフの王子様の世界へ





                       
posted by dady at 19:58| 神奈川 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年11月20日

カウントダウン

さて、いよいよのラストラン。
しばらく営業していないとこれはこれは、窓は汚れ、室内も隅々がちょっと薄汚れて、これはいけません。
食べ物屋さんがこれでは許されません。そこで、今朝はちょっぴり寒さをこらえて外壁から窓ガラスまで水で流して洗い清めて、わああ!うん。汚れは落とし、ついでに心の中までピッカピカ。笑

シェフのすっきりとした便秘が治ったような顔をご覧ください。

IMG_1606.jpeg

いよいよ明々後日!泣いても笑っても明々後日!
隅々のホコリを落としながら、しかし見るもの触るもの、これがぜ〜んぶ私たちの手作りなんです!トレイとトングとレジスター以外ぜ〜んぶ手作り!土曜日にならぶ最后のパンたちもぜ〜んぶ手作り!(これは当たり前かな?)
思わず感傷に浸りながら、お店づくりに励んだ日々、パン作りに励んだ日々はもう来ない?

さてこの日のパンは九種類。パン・オ・ヌフは九つのパンと言う意味ですからラストランも九つで決まり!ところが、この九つを何にするかと考えると、これが困った。

パン・ド・ミ、 バゲット、 は決まりでも、問題はカンパーニュ系の生地をどうするか?シェフとあれこれ思案したのですが、しばらく作っていないこともあり、今回は涙を飲んでカンパーニュはありません。ごめんなさい。

あれも作りたいこれも作りたい。二人で、あれは?でも、あ、あれは作ろうよ。
ウ〜ん。でも実際問題として、そんなに作れる?残ったらどうする?これはノープロブレム。残ったら喜んで私たちが食べますから。笑
しかし、正直、頭の中で考えると、わっ、作り方がわからない。そう、ほんとうににすぐには思い出せないパンがあるんです。

ラストランのパン作りもさることながら、しかししかし、この店舗をどうするかというのも私たちには思案の三丁目。
実は、今月の三浦市議会だより」。三浦市民ならみなさんのお宅に毎月配られる例の議会だより」を何気なく読んでいたら、こんな質問が。市の財政やら福祉やらの質問に混じって、、、、
(さてさて、続きはまた明日。乞うご期待、ってほどではありませんが。)

ということで今日はパン屋のヌフがいちばんお世話になった皆さまにこの歌を捧げたいと思います。

The Moody Blues "For My Lady"






ようこそパン・オ・ヌフのラストランへ。





posted by dady at 18:57| 神奈川 ☀| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。